ACSP 一般社団法人コンピュータ教育振興協会

CADエンジニアの先輩に聞く

vol.5 伊東広美さん

2019.9.18

エンジニアリング企業の太陽光発電所の建設工事における電気設計チームでCADオペレータとして活躍する伊東広美さんにお話を伺いました。


伊東広美さん
伊東広美さん

――お忙しいところインタビューにご協力いただきありがとうございます。まずは現在のお仕事についてお聞かせいただけますか。

伊東さん:昨年の11月に社員契約をしている派遣会社から現在働いているエンジニアリング会社へ派遣が決まり、太陽光発電の配置図面や電気図面作成に携わっています。10人前後のチームでその内設計を担当される先輩が3名いらっしゃり、CADは3 名が使っています。私は主に、別の担当者が作成した設置設計図面に修正が入ったときに、先輩の指示に基づいて図面を修正しています。

――仕事では、2次元と3次元CADともに使われているのですか?

伊東さん:図面は主に2次元です。今の職場は3次元CADを使える方が少なく、またあまり知識が豊富ではないので、立体化する際には私が担当します。3次元CADを使うのは業務の1割程度だと思います。

――CADはいつ頃から使われたのでしょうか? これまでずっとCADを使った仕事をされてきたのでしょうか?

伊東さん:2005年に新卒で特定派遣会社に入社し、入社後の研修でCADを勉強しました。最初の派遣先の業務はCAE解析でしたが、その後の派遣先で2次元CADによる溶接ロボット設計を、また後に配管プラント関連のCADオペレータとして働きました。結婚などのライフスタイルの変化に伴い、派遣先や会社を移り、その間には一般事務を、また今の会社も入社当初は全くCADと関わりのない仕事をしていたのですが、CADオペレータとしてやっていきたいという気持ちが強くありました。

――どのようにその思いを実現されたのでしょうか?

伊東さん:会社の「自己実現制度」(将来なりたい姿に向けて自分で勉強することを支援する制度)を利用し、3次元CADの仕事に就くことを最終目標として、3次元CAD利用技術者試験1級を取得しました。それをきっかけに会社の担当の方と相談して今の仕事に就きました。資格取得に向けて、会社の研修や実技講習を受けましたが、自分のPCにソフトを入れて実際に問題を解くなど、かなり長い時間勉強に取り組みました。

――素晴らしいですね。見事に1級に合格されて希望された職に就かれたのですね。

伊東さん:CADを使えると仕事の案件の幅が広がると思います。私は小学生と保育園の子どもがいるので、残業と休日出勤なし、という制限がある中で今の仕事ができることに喜びを感じています。

――伊東さんはCADがお好きなのですね。

伊東さん:はい。CADは自分で図面や立体を起こせることが楽しいなと思います。3次元CADでは立体を起こし組み立てていくと、干渉や想定以上に空間ができるなど、2次元図面では気づかなかったところが見えてきます。仕事では1つの図面の同じ箇所を何度も修正しなければならない時もあり、厳しいこともあります。でも現場で撮ってきた完成製品の写真を見て、自分が描いた通りにモノができていると嬉しいです。

――最後に、今後習得したいスキルがありましたら教えてください。

伊東さん:現在の仕事では電気の知識をつけることが第1ですね。今は先輩からの指示を待って図面を修正していますが、電気の知識をつけ、こちらから提案できるようになりたいと思います。また現在使っているAutoCADについても勉強していきたいと思います。
さらに機会があれば、機械や配管など幅広い分野に広げていければと思っています。


伊東さんは、目標に向かい勉強を続け、それを実現される努力家で芯の強い素敵な方でした。小さなお子さんがいて大変でしょうが、さらなるご活躍を応援しています。