ACSP 一般社団法人コンピュータ教育振興協会

「CAD利用技術者試験」の実技試験(2次元は1級、3次元は1級と準1級)を個人で受験する場合、ノートPCとCADソフトウェアを自前で用意して会場に持ち込む必要があります。また、最近のCADソフトはネットワークによるアクティベーション(認証)が必要になるソフトも多く、このようなソフトを利用する場合には、ポケットWi-Fiなどのネットワーク機器が必要です。

ここでは、持込用のノートPCならびにソフトウェア、ポケットWi-Fiの事前準備について解説します。

1.ノートPCの準備

    ノートPCを持っていない場合や、持っているノートPCでCADソフトがスムーズに動作しなかった場合は、試験に向けてノートPCを用意する必要があります。なお、ご自身で用意したノートPCの関係で試験中にトラブルが発生した場合は、受験者様の責任となります。

    【短期レンタルする】

    ノートPCを一定期間(数日から1ヵ月単位など)借りられるレンタルサービスがあります。ネットで検索すると複数のレンタル業者がリストアップされ、ノートPCであれば、数日で数千円から、1ヵ月で1万円程度のプランがあり、ノートPCを新規に購入するより出費が抑えられます。

    貸出期間は、動作確認や試験のリハーサルができるよう、余裕を持った日程で手配してください。また、スペックについては、使用するCADソフトが推奨しているスペックを事前に確認しましょう。費用はかさみますが、スペックが高く、画面が大きい「ワークステーション」クラスを選べば安心です。受験日程が決まったら早めに予約しましょう。

    ※2次元CAD利用技術者試験の受験の際には、解答データをUSBメモリで回収します。USB1.1以上に対応したPCをご用意ください。

    【新規購入する】

    受験を機に新しくノートPCを購入するのもよいでしょう。レンタル同様、使用するCADソフトが推奨しているスペックを事前に確認しましょう。購入費用はかさみますが、スペックが高く、画面が大きい「ワークステーション」クラスやゲーミングPCを選べば安心です。受験日程が決まったら早めに手配しましょう。

    ※2次元CAD利用技術者試験の受験の際には、解答データをUSBメモリで回収します。USB1.1以上に対応したPCをご用意ください。

    【家族や知人、会社から借りる】

    家族や友人がパソコンを持っているなら、試験にあわせて一時的に借りるのがもっとも手軽な方法です。ただし個人から借りる場合は十分な注意が必要です。所有者の個人情報や重要なデータが入っていることがありますから、消去や流出に十分気をつけましょう。

    勤め先で利用しているノートPCを借りる場合は、会社の機密情報が保存されている場合がありますから、会社のルールに従って利用してください。くれぐれも勝手に持ち出さないように。

    ※2次元CAD利用技術者試験の受験の際には、解答データをUSBメモリで回収します。USB1.1以上に対応したPCをご用意ください。

2.ソフトウェアの準備

    2次元、3次元にかかわらず、実技試験を受験するにはCADソフトが必須です。ノートPCをレンタルする場合は、別途CADソフトをインストールする必要があります。

    普段使い慣れたソフトを利用するのがベストですが、高価であったり、体験版が用意されていない場合は、フリーソフトや体験版が用意されている別のソフトを利用することも考える必要があります。

    2次元CADの場合は、Jw_cadやAR_CADなどのフリーソフトがあるほか、AutoCadには30日間の体験版が用意されています。普段利用しているソフトにも体験版が用意されている場合がありますので、事前に確認しておきましょう。

    3次元CADの場合は高価なソフトが多く、個人で所有されている方は少ないと思います。ただ、3次元CADにも、Fusion 360やDesignSpark Mechanicalといったフリーで利用できるソフトがあります。また、ユーザー数の多い「SOLIDWORKS」にも、個人使用であれば月額15米ドル、年額48米ドルで利用できる「3DEXPERIENCE SOLIDWORKS for Makers」が用意されており、さらにメーカースペースのメンバーであれば無料の年間ライセンスが利用できます。なお、「3次元CAD 体験版/無償版入手方法」のページでは、体験版/無償版の情報を提供しておりますので、事前にご確認ください。

3.ネットワーク機器の準備

    前述の通り、ネットワークによるアクティベーション(認証)が必要になるCADソフトを利用する場合や、リモートアクセスなどで会社等のCADソフトを遠隔利用するには、ポケットWi-Fiなどのネットワーク機器が必要です。お手持ちのスマホがディザリングに対応していれば、スマホを通信端末として利用できます。

    ポケットWi-FiもノートPC同様、レンタルが可能です。費用は1日あたり数百円、1週間の場合は2,000~3,000円程度です。ショップに出向くことなく、郵送でのやり取りとなりますので、非常に簡単です。

    なお、ご自身で用意したネットワーク機器の関係で試験中にトラブルが発生した場合は、受験者様の責任となります。また、試験会場のWi-Fi環境を利用すると失格になりますのでご注意ください。

最後に:必ず事前に動作チェックを行うこと

    ノートPCやCADソフトが準備できたら、動作テストやリハーサルは必須です。キーボード配列やマウスの操作性が異なっていたり、ポケットWi-Fiやお手持ちのスマホのディザリング機能も確認が必要です。

    最後になりますが、試験当日になって困ることのないよう、事前のリハーサルを十分に行い、試験に臨んでください。皆様のご健闘をお祈りいたしております。